ダミアンは、田舎の小さな街で友人たちとごみ収集の仕事に就いている。先の見えない日常の中で、虚無感を持ちながらも、淡々と暮らすダミアン。ある日、ダミアンは自分が担当するごみ集積場で死体を発見する。同時に、明らかにその殺人の凶器となったナイフも発見する。やがて、ダミアンは、ごみ集積場に潜伏しているはずの殺人犯を突き止めることで、自身の人生において何かを成し遂げ、一人前の人間として証明されたいと思い始める…。主演のクリストファー・ブッフホルツの抑えられた静かな演技と存在感が際立つ作品。人間のうちに潜む狂気、誰しもが胸に抱いている社会へ対する不条理感と目に見えぬ人間の本質が、独得の映像展開で浮き彫りにされていく。印象的に展開される独自の映像は、監督の意図で1950〜60年代の「フィルム・ノワール」へのオマージュとして描かれている。
|
映画製作のキャリアが浅く「新しい映画人」と評されているイヴァン・ゴティエ監督にとって、最初の長編作品となった。製作から撮影まで全てフランスで行われている。
「文化の国」というイメージが強いフランスだが、他国同様映画製作の現状は極めて厳しい。製作には莫大な費用がかかり、なおかつ、大量の観客動員とヒットする確実な予測がなければ、まずスポンサーは見つからない。最も大きなスポンサーとされているのはテレビ局だが、その背景には当初からテレビ化を前提に映画を製作し、観客数の増加を図ることにある。従ってわかりやすいストーリーで万人に理解されるコメディ等には、即スポンサーがついたとしても、作品のテーマや内容が少しでも複雑であったり、難解なものは敬遠されてしまうのが現状だ。
この作品は、そんなフランス映画界の厳しい状況の中で、通常の5〜6分の1とも言われている非常に限られた予算と製作時間で撮影されている。また、イヴァン・ゴティエ監督自らが、作品のプロデューサーも兼ねている。

















