テーチェはロッテルダムに住む若いビジネスマン。物事を深く考えることもなく、楽をして手っ取り早く大金を稼ぐことだけを考えているような青年だった。ある時、投資に利用するため、港に停泊していた輸送船をまるごと買い取ることになる。しかし、実際に港に行ってみると大きな老朽船の中には病気の船長と、もう3年も給料をもらっていないというロシア人の船員たちが大勢隠れてている。放射性廃棄物らしき積荷を載せ、どの国からも上陸を断わられ続けているロシア船だったのだ。途方に暮れたテーチェは、婚約者で看護婦のマリーを船に乗せ、船員たちの様子を見せた。純粋で信仰心の厚いマリーは、汚れて病人ばかりの船の中で一瞬「神」を見たと言う。やがて船員の一人とマリーは恋に落ち、いよいよ八方塞がりとなっていくテーチェ。しかし、数々の困難と正面から向き合ううちに自らの意志が研ぎ澄まされ、次第に本来の人間らしさを取り戻していることに気が付きはじめる。
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「ポーランド人の結婚」同様、オランダ映画界の若い才能のためのプロジェクト「ルート2000」を通じて製作された作品のひとつ。
1965年生まれの女性監督パウラ・ファン・ダー・ウストは、’97年度の大阪ヨーロッパ映画祭で作品「もう一人の母(Another Mother)」で’97年度大阪市ヤングシネマ賞を受賞した若手ホープ。
「他人に関心がなく金を稼ぐことで頭が一杯。楽をして金持ちになることばかり考えているような主人公の青年テーチェは今日のオランダ新世代の典型。『テーチェの旅』では、他人に全く関心のないタイプのテーチェが、船員や船中で起こるアクシデントにどのように向き合い、対処していくのかを描きたかった。」と監督は語る。
また、他の国同様、オランダでも映画製作には莫大な費用がかかり、製作は困難を極める。作品の中で、ロケーション場面が一カ所に限られているのも低予算のためだが、飾らない状況演出が、結果的に登場人物達のヒューマニズムを、より一層引き出す効果につながっている。












