巨大なスケートリンクを舞台にしてある映画の撮影が行われている。タイトルは「ドロレス」。その撮影班は、氷上に第一歩を踏み入れてみて初めて、自分達が降り立とうとしている場所が非常に滑りやすいところだと自覚する。
撮影は難航している。オートバイのヘルメットを装着したスタッフは、移動カメラをとんでもない方向へ押し進め、自分の仕事道具に足をとられてしまう録音技師は上手く動きについてこない。しかし、何としても作品完成はヴェニス映画祭出品のデッドラインに間に合わせたい。
乗馬帽をかぶった冷静沈着な監督、リトアニアのホッケーチームの選手達、ゴールキーパー役を演じるアメリカ人、(フランス語は全然話せない)人気俳優、デッドラインに間に合わせることしか頭になく、スピードスケート用のコスチュームを身につけた女性プロデューサーらがリンク上で交錯する。コミュニケーション上の問題などから巻き起こる混乱は、やがて収拾がつかない事態へと発展していく。
とうとう映画は完成し、時を移さず監督と女性プロデューサーはフィルムを両腕に抱え、ヘリコプターでチネチッタへ向かう。


















