2001年は、ヨーロッパの映画愛好者にとっても映画製作者にとっても特別実りの多い一年でした。欧州連合(EU)各地では合計9億2,000万枚の劇場入場券が販売され、来場者数も1980年代初頭以来の記録を更新しました。中でもヨーロッパ製作の映画はとりわけよい成績を収め、EUでトップ20の映画のうち4作品はEU内で製作されたものでした。例えば、『ブリジット・ジョーンズの日記』や『アメリ』のような映画は、日本をはじめとするEU以外の諸国でも多くの観客を動員しました。今回の大阪ヨーロッパ映画祭では、本国ドイツで市場シェア18%という見事な数字を達成した『マニトゥの靴(仮題)』が上映されますが、このようにヨーロッパでも特に好評の素晴らしい作品の数々を、日本の皆様にもご覧に入れることができ、喜ばしく思っております。
EUの映像・音響産業は、EU全体のGDPのうち約650億ユーロも貢献しています。同産業は、経済的にも大変重要であるだけではなく、ヨーロッパ文化の多様性と開放性を表現する上でも大きな役割を担っているのです。2001年にEUは、欧州委員会と欧州投資銀行(EIB)の計画を通じて10億ユーロ近くをヨーロッパの映像・音響産業に投入する、と発表しています。
欧州委員会の「MEDIA(メディア)」プログラムは現在、「MEDIA Plus(メディア・プラス)」と呼ばれる第3段階にあります。「MEDIA Plus」プログラムとその前身である「MEDIA」プログラムおよび「MEDIA II(メディア2)」プログラムは、ヨーロッパの映像・音響産業を強化することを目標としています。「MEDIA Plus」プログラムは、各加盟国の映像・音響産業支援プログラムと協力して、専門家の育成、新企画の開発や配給、プロモーション活動等を通じた映像・音響産業の支援を行っています。また、ヨーロッパ各地で開催される映画祭にも資金援助を行っています。2005年まで継続するこのプログラムの予算は、総額4億ユーロ超になります。
ヨーロッパ映画は、依然として驚くほど費用対効果が高いものです。平均予算が4,800万ユーロのハリウッド映画に対し、ヨーロッパ映画の平均予算はたったの400万ユーロです。アメリカの映画スタジオのような資金力がないにもかかわらず、ヨーロッパの映画産業は、次々と一流の作品を生み出しています。ヨーロッパ映画の作品は、その規模が小さいために「アートシアター系」として分類されることが少なくありませんが、ヨーロッパでも日本でも、アクション満載の超大作よりも上質のヨーロッパ映画を好む観客が増えはじめているのも事実です。
今年の大阪ヨーロッパ映画祭では、EU全土から選り抜きの新作品が披露されます。また、『ニュー・シネマ・パラダイス』や『メトロポリス』のような、ヨーロッパの、そして世界の映画遺産の古典的作品も上映されます。映画祭を訪れる方々には、EUや日本の人々にこよなく愛されてきたこれらの名作を、大画面で鑑賞する貴重な機会を楽しんでいただけるでしょう。
第9回大阪ヨーロッパ映画祭が、EUと関西地方の皆様との間の「文化の懸け橋」であり続けることを願いつつ、映画祭の成功を心からお祈りします。EUが日本との関係を草の根レベルでより深く発展させようとしている現在、大阪ヨーロッパ映画祭のようなイベントはなおさら重要度を増すものとなっています。それではどうぞ作品をお楽しみください。











