港署の警部補・嵯峨は新興宗教幹部の射殺現場に居合わせ、射殺犯三田を追跡する。三田を追いつめる嵯峨だが、ついに銃弾を浴び重傷を負ってしまう。薄れていく意識の中、彼は何者かの足音を聞く。その足音の主は、嵯峨の銃を持ち去る。嵯峨は一命を取り留めるが、妻の理恵は、常に生命の危機にさらされる警官の夫を持つことに、疲れを感じ、嵯峨との別れを決意する。奪われた嵯峨の拳銃で起こった殺人事件で、彼に容疑がかかり、嵯峨は退職願いを出す。愛する人と仕事という、大切なものを同時に失ってしまった嵯峨は、心が空っぽになっていくのを感じながら、犯人の追跡を始める。一方、例の事件の翌日、現場近くの病院を出て行った、白血病の男、島野。彼は恋人貴美子との愛を証明するため、連続射殺事件をはたらいていた。それぞれが失ったものを、その空白を埋めようと動きはじめる。自分の目の前にいる大切な人を愛し、愛そうとしてあがく人々の姿を真摯に描いていく、青山監督の卓越した演出力がストイックな画面を紡ぎ出す。
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