1970年代初頭のベルギー、アントワープ。哲学を学ぶチャヤは気性は激しいが偏見にとらわれない自由主義の女の子。両親はホロコーストの生存者で、過去を忘れようとする母親は毎日ケーキ作りに専念している。一方そんな母親とは正反対に、若いころの思い出を呼び戻そうと、父親は戦争中に埋めたトランクを掘り出すためアントワープ中を探しまわっている。 チャヤはお金が必要で、そのためにちょっと変わった仕事を引き受ける。両親の元を離れ、ユダヤ教家庭のカルマン家に入って子供の面倒を見ることを決めたのだ。開かれた視野を持ったチャヤにとって、このカルマン家はとても奇妙に映る。なぜ女性はズボンをはいてはいけないのか、あまりに違う生活習慣の理解に苦しむことになるのだった。
そんな中、チャヤは5歳になる少年に強い愛情を抱く。彼は言葉を話すことができないが、その理由は医学でも説明がつかない。二人の仲が親密になり、互いの絆が強くなるにつれ、チャヤはこの少年が本当は話せるのにただ単に黙っていたいから話さないのだということに気付く。やがて、なんとか口を開いてもらおうとするチャヤの努力に答えるように少年は声を発するようになる。
しかしながらチャヤの目前には様々な障害が存在していた。カルマン夫人はチャヤに好意を抱いているものの、カルマン氏は正統派ではないチャヤが息子に害を与えるのではないかと不信感を持っている。またユダヤ人を差別してカルマン家に対して辛く当たる管理人はチャヤを恐れさせる。それでもチャヤはカルマン夫人とは違い、避けられないこれらの争いから逃げ出さずに向かい合おうとするのだった。
そんな体験の後、チャヤの両親に対する思いには変化が起きはじめる。













