学生時代に新左翼運動に参加していたジュリオは神父となり、時間が止まったような牧歌的な生活が営まれている離島へと赴任。やがて教区替えとなって、生まれ故郷のローマへと帰ってくる。家族や友人たちとの再会を楽しみに帰ったローマは、しかし昔のローマではなかった。家族も友人も昔のままではなかった。父は妹の親友だった若い愛人のもとへ走り、妹は世捨て人のような恋人の子供を宿したが中絶すると言う。友人たちもまたそれぞれ、ジュリオの目には常軌を逸した生活を送っている。妻に逃げられ一人自分の殻に閉じこもる友人、テロリストとして逮捕され裁判にかけられている友人、映画館で若い男を漁るゲイの友人。教会の神父はあろうことか信者の女性に手を出し、教会の隣の敷地に愛の巣を営んでいる。
若く理想に燃えるジュリオは戸惑う。神父といえどもジュリオは生身の人間である。その体にはラテンの血が流れ、激しやすい心が秘められている。それでも神に仕える身ゆえに耐えなければならない。愛と幸福を求めながら愛も幸福も喪失していく人々に、ジュリオは苛立ち、怒りを沸き立たせずにはいられない。ジュリオの当惑と苦悩は深く自分ではどうしようもできない。そして突然の母の自殺。ジュリオはもはや、親しい人々のそばで生活することが不可能になっていた。チェーザレとアントネッラの結婚式の間に、ジュリオは今いる場所を立ち去ろうと心に決める。果てしなく遠い、辺境への地へと。そこには発狂しそうに強い風が吹いているという。とにかく、ミサは終わったのだ。












