旧東欧の社会問題を軽快に描く
逆シンデレラストーリー
働いていた工場が閉鎖することになり、生活の糧を失ったエミルは起死回生をはかり、移民として一家でオーストラリアへ渡る決意を固める。だが、許可申請のため上京したブカレストで、ビジネスマンを装った詐欺師の偽両替の餌食になり、有り金を残らず奪われてしまう。しかし、落胆してもおめおめと家には戻れない。エミルはフランクフルトで旅費を稼ぐと家族に嘘をつき、首都に留まり詐欺師の男を捜す。頼れるのは、引退を間近にひかえた巡査長のネアグと、警察署で知り合った売春で学費を稼ぐモルドバ人の法学生リリのみ。だがある日、町の両替屋を執念深く張っていると、忘れもしないあのスーツの男が姿を現わす。エミルは家まで男の後をつけ不意を襲いアタッシュケースを奪いとる。だが、男の鞄から出てきたのは偽札と普通紙で作った偽札束のみであった。かっとなって男を殴り殺し今や立派な犯罪者であるエミルは、気がつけば男と同じ手口で観光客らをだます両替詐欺の常習犯としてお尋ね者になっていた。











