1893年、ベルギーフランドル地方の町、アールスト。劣悪な労働条件の製糸工場で住民は、女性も子どもも関係なく、日夜働かされていた。職場で事故が相次ぐ中、若い女性労働者のネッテは職場環境のひどさを訴え続けるが、役人たちは聞き入れようとしない。そんな中、ある子どもが犠牲となった事故をきっかけに、ネッテは仲間を引き連れてストライキを計画する。彼女に助けを求められた神父ダーンスは労働状況を告発する記事を発表し、大きな反響を呼ぶ。やがて、問題は議会にまで発展する。労働者の熱い支持を得て選挙で当選するが、敵対するカトリック保守党のウステが反撃に出る。地域の有力者と共謀し、教会の上層部に働きかけて、彼を失脚させようと企てる。ウステの陰謀により、ダーンスはローマ法王から神父を罷免するとの通知を受け、聖職者と政治家のどちらを取るか究極の選択に迫られる。彼を支持してきたネッテは、自分たちと共に闘いぬくことを懇願する。神の言葉を伝える者として、彼は弱者の味方であり続けることを選ぶ。
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1839年、オランダから独立したベルギーは、オランダ語を話すフラマン人とフランス語を話すワロニー人の住む地域が言語境界線によって2分されている。言語戦争と呼ばれる両者の対立は、財界や政府の要人が多いワロニー地方と労働者が多く住むフランドル地方の社会的地位の格差が問題ともいわれていた。ベルギーで聖職者が選挙に出ることは珍しいとされるが、神父に関する小説を読んで感銘を受けた監督が、神に仕える身である神父が人々のために闘いながらも自身の立場の選択に迫られて苦悩する姿を描いている。1992年に公開され、翌年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。第1回大阪ヨーロッパ映画祭の上映作品でもある。ダーンスを演じるのは、ベルギーのスター俳優、ヤン・デクレール。厳しい状況下にいる労働者を救おうと、数々の重圧に耐えながら、自らの信念を持って議会や教会に立ち向かっていく姿に胸を熱くさせられる。






