ドイツ・ハンブルクの繁華街、レーパーバーンに程近い食堂で給仕として働くバランは、自分がクルド人不法入国者であることを隠していた。彼は自国で身の安全が保障されなくなったため、16歳の誕生日に国外逃亡を企て、この地で保護権を取得する機会を待っていたのだ。不穏な日々を送るバランは、同じ境遇の黒人少年チェルナーと知り合い、すぐに打ち解ける。悲惨な現実に直面しながらも彼らは友情を深め、強い結びつきを感じていた。オーストラリアに行く夢を持つチェルナーは、麻薬を売って稼いでいたが、バランに止めるよう説得される。ある日、1人のクルド人男性が食堂にやって来る。偶然にもその男はバランの両親を殺害した犯人の1人だった。バランは復讐を心に誓い、男を追い詰めてゆく。家族を殺された怒り、哀しみ、犯人に対する憎しみを込めて、銃口が男に向けられる。人種や民族の争いに巻き込まれ、翻弄される少年たちが向かう先に待ち受けているものとは…?
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2004年、大阪市とハンブルク市が友好都市提携15周年を迎えたことを記念しての上映。本作はハンブルク市の助成と協力を得て製作された。監督のユクセル・ヤヴズは1980年にトルコからドイツへ亡命。「クルドのルーツを持つ映画製作者として、自分自身を描き出したかった」と話す彼の体験が作品の随所に見られる。移民問題はヨーロッパ各国が抱えている大きな問題の一つだ。特にドイツはクルド人移民が多いことで知られている。本作ではこの問題を政治的観点ではなく、登場人物の心情や生き方を提示することでクローズアップしている。また、主にアマチュアの役者を起用しているのは、少年たちのありふれた日常や、困難の中に見つけたささやかな自由を、より現実的なものとして実感を持たせるために、ヤヴズ監督が製作当初から望んでいたことだという。主人公の少年らが悲惨な現実と直面しているのとは対照的に、極めて穏やかな雰囲気を持った映像も特徴的だ。















