舞台は1950年代、ノルウェーの田舎の村。主人公は教会の牧師の娘マリア。彼女の父親は、教会での仕事と同様に、家庭でも常に堅苦しく厳格で、子供達の躾にも厳しい。思春期のマリアは、そんなまるで牢獄のような生活にうんざりしていた。ある日、教会で働く女性、タンハイム夫人が川で水着も着けずに泳いでいるのを見かけたマリアは、彼女に強く惹かれていった。一見物静かに見えるタンハイム夫人は、若い女の子らしいマリアの気持ちに理解を示し、こっそり化粧をしたり、授業を抜け出してカフェに入ってみたりと、ささやかだが精一杯の抵抗を示すマリアを静かに見守った。しかし、ある時、教会でタンハイム夫人にむかって別離を告げている父親を偶然見かけたマリアは、激しい不信感に襲われる。その数日後、自分自身に忠実に生きるよう言遺し、タンハイム夫人は自殺してしまう。やがて、再び教会での日々に戻ったマリアは、一人密かに教会を後にする。それはまるで、彼女自身の人生へと歩み出すかのように。
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