11歳の家出少年の物語。彼は詩人を夢見る多感な少年で、何よりも母親の愛を渇望していた。孤児院を脱走して家に戻ると若い母親は町の男たちと乱れた生活を送っていた。純粋な彼にはそんな母親が許せない。一人で生きて行く決意をし、町はずれの川べりに打ち捨てられた艀舟に住み着いた。集めたあき缶や屑鉄を売って逞しく生きていく。町の大人たちは、彼が家に帰れずにいることにうすうす気付き同情的なまなざしを注いでいる。同世代の不良少年たちに迎合せず、ほどこしも受けず、孤独だが毅然と暮らす彼は、彼と同い年くらいの姉妹がいる裕福な家族の様子を艀舟の小窓から眺めるのが日課になっていた。ある日その妹が艀舟を覗きに来て、二人は親しくなる。おてんばな妹は美しく賢い姉に対する劣等感や、誰にも愛されないと思う気持ちをアルコールで紛らわせいた。少年は再び家に戻って母親に会うが拒絶され、深く傷つく。幼い心に癒やされない寂しさを抱える二人はお互いを気遣いあって絆を深めていった。
|

















