舞台は18世紀ヴェルサイユ、ルイ16世王政の頃。権力と野望を凌ぎあう陰謀のゲームが宮廷とそれに追随する人々との限られた世界で繰り広げられていた。青年貴族ポンスリュドンは、領地であるドンプ地方の灌漑工事を王に具申するため、ヴェルサイユを訪れようとする。道中、老医侯爵に助けられた彼は侯爵に伴われ、宮廷サロンに出入りするようになり、“ベル・エスプリ”(洗練されたエスプリ)の持ち主として認められるようになるが…。18世紀の言葉である“ベル・エスプリ”は雄弁な孔雀が丹念に身繕いするのに似て、自分がいかに面白くユーモアがあり、性的にも魅力があるかを誇示し、社会にアピールする手段として知られてきた。しかし、真実の“ベル・エスプリ”はそんな遊戯的なものではなく、まるで化粧という仮面を被ったような精神—宮廷人たちの白粉と微笑の陰に隠された、華麗で非情な側面—は、獰猛な行為でもあり、その精神そのものが、まさしく愚かしさ(リディキュール)に結びついている。
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