霧に包まれた古い建物に人々が吸い込まれていく。彼らは面接室に案内され、そこで待ち受けていた職員にこう言われる。「あなたは昨日お亡くなりになりました。ここにいる間にあなたの人生を振り返って大切な思い出をひとつだけ選んで下さい。いつを選びますか?」
彼らはこの施設で天国へ行くまでの7日間を過ごすことになっている。選ばれた思い出は職員たちの手で撮影され、最終日には上映会が開かれるという。人々は自分の人生を振り返り、悩み、後悔し、思い出に浸る…。
映画の前半、思い出を語るシーンには、台詞を語る役者、実体験を話す役者、実体験を話す一般の人など、さまざまなインタビューが入り混じり、一般の人が語る実話にも、本人の演出や脚色、思い違いがまぎれ込んでいる。
そういった記憶の虚と実の間で揺れ動く人の感情をドキュメンタリーとして撮りたかったという是枝監督。画コンテや台本にこだわるのではなく、映画を生きものとしてとらえた現場の空気感が作品世界を作り出している。














