この作品が製作された1926年当時、ストーリーを西暦2000年頃に設定した空想未来映画の代表作。科学と機械文明が高度に発達した未来大都市「メトロポリス」では、地上を支配する資本家層と地下で半ば強制的に労働をさせられる労働者層に二分されていた。大工場主のフレダーゼンの息子、フレダーは偶然、謎めいた女性マリアに出会う。だが、マリアは突然フレダーの前から姿を消し、彼は必死で彼女を探すうちに、自分の住む世界とは、全く異なる世界の入口をみつけてしまう。そこは、地球の奥深く造られた地下都市で、人間の忍耐を超えた機械作業を強いられた労働者が働いていたのだ。地下都市の中心にはロートバングという奇妙な発明家が住んでいた。彼は、自分の命とひきかえにフレダーを生んだヘルを愛する余り、彼女の思い出の中に生き、内密にヘルそっくりのアンドロイドを造っていた…。一方、第2の「バベルの塔」を作っている労働者たちは自由を求めてついに反乱を起こす。資本家、労働者、アンドロイドが展開するスケールの大きなSFドラマ。
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メトロポリスは、ドイツの映画文化を象徴するだけでなく、ワイマール政権下での映画芸術や当時の風刺、また、空想上での20世紀のイメージを形にした貴重な作品。メトロポリスの構想は、現代映画や建築の歴史に偉大な足跡を残し、80〜90年代のアメリカ映画「ブレードランナー」等の大ヒット映画作品でさえ、メトロポリスなくしては、存在しえなかったと考えられている。頭上を走る電車、飛び交う航空機の傍らにそびえ立つ高層ビル。空想が創り上げた未来都市メトロポリスは、表現主義のドイツ映画に衝撃的な一石を投じたのである。だが、フリッツ・ラング監督は、作品の結末に満足していたわけではなかった。労働者と裕福な者が互いに和解し、全てが平穏に収まるという展開が、現実的ではなかったためである。日本でも1929年に劇場公開され、その後1949年、手塚治虫が漫画作品化したことでも有名。















