1944年夏、第二次世界大戦下のトスカ−ナ地方。自動車事故で両親を失ったペニーとその妹ベイビーは、ユダヤ系の伯父と結婚したイタリア人の伯母が暮らす郊外の屋敷に引き取られた。今までの豊かな都会生活とは異なる環境に、最初は戸惑っていた姉妹だったが、陽光溢れる自然のもと、素朴で素直な地元の子どもたちや、武骨だが心優しいメイドとの生活を満喫する。近づく戦禍に、命の危機と背中合わせに暮らす中、宗教の違い、敬服するムッソリーニが彼女たちが聞かされていたほど完璧な存在ではなかったこと、大人たちの恋愛や心の機微を目の当たりにしながら、幼い姉妹たちは現実と向き合い、心の成長を遂げていく。戦況が一段と深刻化し始めたある日、悲劇は起こった。ドイツ軍の侵入、急襲を狙うパルチザン入りという伯父の決断、そしてその直後、敬愛する伯母とその家族たちは、ペニーたちの目の前でナチス親衛隊の銃火のもとに命を落とす。戦争とは、生きるとは何を意味するのか。多感な少女たちの視点を通して鮮やかに描かれた秀作。
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戦後60年を経た今なお、この作品を観た人たちの心に強い衝撃を与える、戦争、ナチス、独裁政治が意味するものは何か。根底に戦争を描きながらも、激しい戦火を映し出すわけでもなく、戦争によって失われたさまざまな真実について、淡々と訴えるような映像に心を揺さぶられる。戦争のために、大人も子どもも、自ら変わることを余儀なくされ、その中で人びとはどのような変化を遂げていくのか。それはまた、この作品を観終えた人びとの心にも大きな変化をもたらすきっかけとなるに違いない。物語の主人公である二人の少女は、両親を事故で失い、伯父のもとへ引き取られるという環境の変化に加え、それまで徹底したナチス教育を受けた二人が、反ナチス派のユダヤ人家庭で暮らすことで余儀なくされる宗教観や世界観の大きな転向。多感な少女達が、厳しい現実を受け入れながら成長していく様子からは、人間の持つ強さや逞しささえ伝わってくるようだ。映画の撮影が行われた場所は、脚本に書かれている場所と同じで、当時の雰囲気が今もなお残る。
















