昆虫たちの1日を、昆虫の視点で描くファンタジー作品。美しい夏の1日、朝、昼、夜へと移ろう時の流れも、ミクロの世界で、わずか数週間の生涯を終える昆虫たちにとってはかけがえのない1日なのだ。命がけで食べ物を探し出し、他の生き物たちと闘いながら、厳しくも美しい壮大な自然界を生きる昆虫たち。ミリメートルの世界で生きる彼らにとって、人の目には止まらないような小さな水溜りは、森の湖のように深々とした水源地となり、葉をこぼれる朝露の雫は巨大な風船のように映る様子が描写され、観るものを未知の世界へと引き込んでいく。また、昆虫たちが水面を歩く様子や、カタツムリのラブシーン、毛虫の行列など、リズミカルでユニークな映像を織りこみながらも、人間が今まで知り得なかったミクロの生と神秘が、真摯な視点で描かれている。
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ドキュメンタリー作品でありながらも、単なるドキュメンタリーというカテゴリーに収まりきらない傑作。ミリ単位の昆虫たちにもそれぞれに物語があり、異なるアングルで撮影された虫たちは、まるで周到な台本通りに動くように見え、フィクションさながらの名演技を見せる。昆虫という未知の世界を、科学的な論点で解析するような難解な作品ではなく、温もりある人の目を通して、小さな生命の尊さと美しさを描いた芸術的な作品に仕上がっている。俳優として大成しながらも、映画製作に情熱を傾け続けるジャック・ペランとクロード・ニュリザリー、マリー・ペレヌー両監督の熱意は、長期にわたる製作準備期間と、撮影時間に実に3年という長い歳月を費やし、特殊な機材を駆使した撮影で、実現し得ないと言われていたミクロの奇跡を描くことに成功したのだ。彼らの情熱が結実したこの作品は、96年セザール賞、最優秀プロデューサー賞を含む5部門受賞する栄誉に浴した。
[インタビュー]
キャスティングはどおようにしたのですか?
昆虫それぞれに独特の性格や気質があることを理解する必要があります。希望通りに自然に役を演ずる者もあれば、ストレスからなかなかこちらの希望に応えてくれない者もあります。たとえば、私達はテントウムシが飛び立つシーンを撮りたかったのです。葉の付け根に置くとテントウムシはてっぺんまで登って行き、てっぺんまで来ると飛び立ちます。足の下にはもう何も無いと感じるからです。ポイント・エフェクトという現象です。その数秒ほどのシーンのために私達はおよそ50匹ほどのテントウムシを選び出すことから始め、彼らをロケ地でテストしました。何度か繰り返すうちに残った3匹のうち、1匹だけが規則正しく飛び立とうとすることが分かりました。その日の終わりには、その3匹が撮影に使われました。
クロード・ニュリザニー&マリー・ペレヌー監督
















