主人公のアリとその恋人インカ、それに彼らを取り巻く仲間たちの日常の暮らしを描いた作品。彼らはささやかな犯罪を繰り返しながら、生活を楽しんでいた。インカを一途に思うアリ。他の男性と親しく話すインカにアリは気が気でない。ある日、しつこく言い寄ってくる男性と踊るインカの姿を見て、嫉妬に狂ったアリはその男性を殺してしまう。刑務所に入った彼はビデオでインカとの間に子供が産まれていることを知り、その喜びに涙する。やがて、数年が経ち、アリも刑務所を出所することに。インカと子供と一緒に暮らすことを夢見て、アリはこれまでの生き方を悔い改め、家族と幸福な家庭を築けるようにと心に誓った。しかし、アリの思いとは裏腹に、さまざまな問題にぶち当たり、打ちのめされる。こんな閉塞した社会の中で彼らは過去と決別し、新しい生活を手に入れることができるのだろうか。
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フィンランド生まれのオッリ・サーレラ監督は地元の美術大学を卒業後、同大学の教授と一緒に脚本を手掛け、1997年に初の長編映画「The Redemption」、続いて「Ambush」を製作。いずれもフィンランド・フィルム・アワードを受賞するなど、フィンランド映画界を代表する監督の一人。常に追い詰められ決断を迫られた状況にある人間の感情や胸中にスポットを当てた作品を撮り続けている(監督のインタビューは50ページで紹介)。今までのフィンランド映画では珍しい郊外の町が舞台。そこで住む人々の暮らしや生き方、ドラッグなどの風俗を織り交ぜながら、アウトサイダーの心象風景(心の世界)を描いた。スタイリッシュな映像や音楽、ファッション、照明などにより斬新な作品に仕上がっている。今の社会では一度道を踏み外すとなかなか受け入れてもらえない現実が、それは本人自身の心の問題でもあり、また長年積み重ねてきた今までのライフスタイルを変えることは難しい、と訴えている。















