短編映画で綴る長いラブ・ストーリー
オーバーハウゼンが短編映画の上映、市場、討論、批評、そして受賞の場となり始めて、既に50年以上にもなる。本映画祭は、その当時ドイツに存在した3つの映画祭のうちの1つとして、‘文化映画祭’という名で1954年にスタートした。それ以前のオーバーハウゼンは、鋼鉄と石炭の町で、人々の唯一の楽しみは映画に行く事だった。人々が家でテレビを見て時間を過ごすようになった今日、オーバーハウゼンに、かつての産業の町としての面影はすっかり消え、また、開催されている映画祭の数も、ドイツ国内だけでも大小併せて数十箇所、そして世界に至っては、1000箇所以上に及んでいる。
この映画祭が、その設立以来現在に至るまで、最も重要な物の一つとして評価され続けて来た事は誇るべきことである。常に斬新で、並外れ、かつ先駆けとなるものを追求してきた結果、映画祭は、毎年新鮮さを失う事なく、その輝きを保ち続けている。50年代に紹介された東ヨーロッパの作品群、また60年代に取り上げられたニュージャーマンシネマ、またもしくは90年代のビデオクリップ…と、いつの時代にあっても、この映画祭は、その時々に於ける最新の動きを真正面から見つめ、そして時には厳しく浴びせられる批評にも、向き合ってきた。
だからこそ、オーバーハウゼンは、今日も以前と変わらない活気に溢れているのである。そして、次世代の映画製作者達が感性やアイデアを競い、吸収しあう場であるコンペティション部門や、50年間の映画祭史を振り返る大規模な特別プログラムに見るように、ここは新たなる発見と再発見の場であり、刺激的で期待に満ちた記念すべき映画祭なのである。
本映画祭は、国際部門、ドイツ部門、子供と青少年部門、ドイツのビデオクリップ部門という4部門から成るコンペティションに、毎年平均5000にもおよぶ制作会社が出品しており、現在最も幅広く、国際的な短編映画製作の全貌を窺える映画祭と言える。また、各コンペティション部門のみに留まらず、討論会や講演会、また世界中から選りすぐりの短編を集めたレトロスペクティブや、子供と青少年のための映画特集、といったテーマごとの特別プログラムが、映画祭全体の完成度をより高めている。
この映画祭では、短編映画とビデオを含め、年間平均、約400もの作品を上映している。そして映画上映はもとより、世界で最大規模の短編映画制作会社の新作セレクションを一同に集めた映画市場は熱気に溢れ、討論会、パーティー、ラウンジ、映画関係者の会議、商談の場、芸術関係のプロジェクト等も設けてられている。そして、200人の報道関係者を含め、年間約1000人もの公式映画関係者が訪れている。 短編の時間枠内で、動く画像を映し出すあらゆる手段と種類が、今日オーバーハウゼンで紹介されている。当映画祭では、一般に製作国としては注目されていない国々の作品の発掘に特に力を注いでいる。何故ならそれらは、絶えず映画に新鮮な発見をもたらしてくれるからだ。このように、細心の注意のもとに熟慮を重ねてプログラムは組まれ、素晴らしい作品構成を完成させている。オーバーハウゼンでは、ただ単に精巧な出来映えであることだけが、必ずしもその映画の成功を意味する訳ではない。ジャンルや製作水準、予算は問わず、作品がどの程度、新しい何かを描き出しているかが問われ、評価される。即ち、社会の現実、文化の相違そして芸術面の新しさが、描き出されているかという点が決定的な要素なのである。
オーバーハウゼンはまた、テレビやインターネットを通して短編映画を人々に紹介している。短編映画は、今後これら現代の映画形式というものを通じ、より多くの人々の間に、新たな短編のスタイルとして、その位置付けを確立していくだろう。
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